逆賊と元勲の明治

久しぶりの書評である。出来不出来考えず書き飛ばす。トバシである。

さて。八重の桜のクライマックスをすかさず見たわけである。
ベタに八重の桜で、カンドーした!、と。
私は感動しちゃうタチなのだ。BーBOY系の日本的ラップにもベタに
感動するタチである。保守主義キライだけど。
矛盾論である。感動しながらも、明治維新とは、内戦ではないかとの、
問題意識が生まれたのである。内戦では逆賊が生まれる。
そこで、本書を手にとった。

逆賊といえば、西郷さんである。西南戦争という内戦を指揮。
もうここら辺でよか!、と絶命された。
明治31年上野公園に西郷さんの銅像が完成し、盛大な式典がなされた
ことから本書は始まる。西南戦争にて、西郷死して、わずか二十有余年
のこと。
明治維新とは、逆賊、反逆者の重用を行っている。旧幕府海軍副総裁
榎本武揚は、函館五稜郭で新政府軍への最後の抗戦を行った。
彼は二年半の獄中生活の後、新政府に登用され、明治13年には海軍卿
就任する。かつての逆賊が、海軍のトップに。
また明治天皇もその重用に疑義を持ったという陸奥宗光。彼は第二次伊藤内閣
において、条約改正、日清戦争外交に鬼才を発揮した。

内戦と、逆賊の重用による挙国一致の演出。
私はこれを、出雲の国譲りの反復とみている。内戦と、その傷の修復。
明治維新において、具体的にはどのように、和が修復されたのか、その
具体的有様を知りたく、本書を読んだ。

目的を達するに良書であった。

逆賊と元勲の明治 (講談社学術文庫)

逆賊と元勲の明治 (講談社学術文庫)