小幡績「ハイブリッド・バブル」
- 作者: 小幡績
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2013/05/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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国際暴落論は、狼少年とされて来た。で、それとの違いは?
小幡は国債市場のプレイヤーを、ムーバー、ファンダメンタルズ派、テールリスク無視限定合理性派に区分する。ムーバーは9%の外国投資家、完全合理的、投機を辞さず。ファンダメンタルズ派、大手銀行等、ファンダメンタルズとの乖離から売り買い判断の堅実派。限定合理性派、信用金庫、地方銀行等の国と死なばもろとも派。
で、日本国債の超安定構造は、ファンダメンタルズ派の作る均衡と、限定合理性派の作る均衡との、複数均衡が、より良い均衡を生み出す、ファンダメンタルズ派、限定合理性派の支え合いが成立していたから、と解く。これは日本国債の超安定構造に対する、いい仮説だ。
で、それが黒田異次元緩和で、イッチャウよという話に。
黒田日銀が、長期国債を買い支え、イールドカーブが潰れていく。
で、限定合理性派の信金もムーバーに豹変する。潰れた金利じゃアガリが足りない。安定性が崩れ、ムーブするように。そこに投機筋が買い上げる。ガンガン買う。で、限定合理性派も、死なば諸共でなく、売り抜けを図る動機が生じる。安定構造は壊れる。
長期国債市場が、投機的市場になる。
根本はイールドカーブが潰れていくこと。この道しかない。