『書評 リラクセーション 成瀬悟策 ブルーバックス』
- 作者: 成瀬悟策
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/06/20
- メディア: 新書
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腰痛や慢性疲労などを残留緊張、恒常緊張の蓄積とし、それは不適切な緊張であり、緊張のコントロール、リラクセーションにより軽減可能だとする。
例えば人前で話す際の場面緊張、これは行為より先のイメージから始まるイメージ緊張であり、役に立たない意識下の予備動作である。
このようにファントムに随伴する緊張感、力感はまた、自分が頑張ってる感をもたらす。しかしこれはエネルギー漏れであり、疲労感の原因、累積的疲弊をもたらす。
リラクセーションの中核は呼吸支配であり、呼吸には意志によりコントロール可能な随意性と睡眠時の呼吸のように不随意性の両面がある。意識と無意識をつなぐものといってもいいだろう。
無意識の領野の探索技法をあげてみよう。
フロイト式の無意識の意識化(鋳型化、類型化)
無意識の圧力の減圧過程、意識化、言語化であり、分析者による被分析者の社会化(言語世界への取り込み)である。無意識を去勢する(治療する)ことであり、私の選択肢ではない。
マンダラ、チベットの技法
厳密な方法論による師からの瞑想法の伝授。
ヨーガ、気功、太極拳
師のシステムは必要であるが、独習者にもとっつける(比較的)。
無意識を無意識として扱う法。矛盾を矛盾のまま、矛盾なく取り扱う? BY 内田樹 ?
というのが理想だ。
脳内麻薬について
トマベッティによれば抽象空間の探索には、ドーパミンがドバドバと必要。スマナサーラ師も、エンドルフィン、ドーパミンは瞑想でどばどばでますよといっている。
しかし、それと悟りは別ですよと。平行して起こる現象だけれども、あくまで悟りの肉体的な側面であるから、そこにフォーカスしたら科学的な研究。ミュージシャンも脳内麻薬作りますが、音にフォーカスしてます。脳内麻薬は随伴現象ですと。
リラクセーション実践
さて実践編だが、緊張=筋肉の予備動作、待ち受けている状態、待ちの姿勢だから、情報がダウンロードできない。オープンマインドでない。
志向性のある意識を捨て、意図=肚を弛めて、脱力する。太気拳では高木氏いわく「気とはコントロールされた基地外状態」という。瞬間的な入力が武術であり、太極拳では、感じることにフォーカスする。フィーリング、センセーション、感じること。
外界ではなく、外界を感知する内界を覚知する。
入れて抜く、入れて抜くを繰り返す。反復練習しかない。弛める、限界からもう一歩、その先で弛める。股関節の弛み。
システマ。呼吸と脱力。無駄な力を抜き、力感、漏電をなくす。立位、座位、仰臥位で行い、平衡感覚、ホメオスタシスを形成する。心のはたらき、体性イメージ、意念である。