『先人の暮らしと世界観 古代(下)』熊本歴史叢書

熊本歴史叢書(2) 古代下 先人の暮らしと世界観 (熊本歴史叢書 2 古代 下)

熊本歴史叢書(2) 古代下 先人の暮らしと世界観 (熊本歴史叢書 2 古代 下)

阿蘇で遊んだので、書評をば。

幾人もの論考が入っている。マトメと雑感を記す。

まず九州の古代政治論。「肥後の海人と肥君」木下直子氏の論考 「蘇る千三百年前の鞠智城」太田幸博氏の論考 「装飾古墳の世界」高木正文氏の論考から

重要なのは筑紫君(北九州)と肥君(熊本)

肥後熊本の、「肥(火)君」。肥君の方は、経済が得意か?肥後海人。貝、石器などの加工を取り仕切る。装飾古墳群の伝統。菊池川流域のチブサン古墳。装飾古墳。菊水町、江田船山古墳。

筑紫君は軍事政治が得意。大化の改新以前の地方豪族最大の叛乱「磐井の乱」。
ヤマトの征討大将軍物部麁鹿火大連(もののべのあらかひのおおむらじ)。軍事の物部氏

古代山城。白村江の戦い以降の、唐・新羅連合軍への危機意識。国家プロジェクトとしての古代山城の造営
大宰府防衛基地としての大野城兵站としての鞠智城
百済貴族の移民が古代山城の技術を。軍事顧問、特殊職能。新羅からの渡来人を「秦人」という。肥前肥後にも大量に移民した可能性

「古代の八幡信仰と仏教」飯沼賢司氏の論考から

この論考に引かれ、この本を買った。隼人への八幡神社のプレス

八幡とは何か?
軍神である八幡の神。一説には八幡とは、古代中国の軍制、満州八旗との符号。

八幡の神官、大神(オオミワ)氏、辛島(カラシマ)氏。オオミワは大和三輪山の中央系。辛島氏は渡来人、五十猛命(いそたけるのみこと)を始祖。複合した出自。

隼人の叛乱、703年、721年に起こる。中央から派遣されたお目付けは。
VIP法蓮。彦山で修行、医師として優秀、朝廷から褒章を受ける仏教者
※テクノロジスト、国境なき医師団、パワーゲーマー

放生会を行う、これは生き物を放つ。生き物の殺傷が応報を招く思考。放生により災いを避ける。法蓮は隼人大殺傷の怨念を封ずる大役を。

軍神八幡カミと仏教集団の習合。法蓮が八幡のカミと争い、和解(和与)。
※マリアージュやな。
ヤマトの九州の拠点。大分から北九州のクニサキ(クニのサキ)。

八幡神は入京、大仏建立に尽力。777年八幡神は出家、修行し、殺傷を禁じる菩薩へ変化
※トンデモねー!ぱねー!

これを人聞菩薩という。国東半島では現在でも、天台宗僧侶が、人聞菩薩の修行を追体験する峯入りを、10年おきに行う。

隼人を睨む、八幡の神


仏教と中央集権
「肥後の古代仏教」板楠和子氏の論考「肥後国府論」工藤敬一氏の論考から

古代は著しい中央集権。地方官僚と中央官僚の構造、日本の構造、律令体制。知識人の構造、国分寺は国立大学、知識階層も中央集権。

テクノロジスト、仏教者。
事例 天台宗、円仁、国費留学生。国家のために奉仕。天皇貴族に灌頂。
※ヘイゾータケナカかなぁ?

僧尼の行いを律する、「養老令」仏教による治療は許可。呪術を不許可。
医師法だな。ホメオは禁止?w

テクノロジー。医術、薬、書。中央派遣僧、「国師」、「読師」。
支配階層知識人。政治と一体。宗教は選んだものではない。悟りとも関係ない。支配者の輸入された言説、テクノロジー